Intermezzo - Cahier

はてなダイアリから参りました(

プジョー208(P21型)GT納車1ヶ月

【はじめに】
プジョーPEUGEOT 208-II(P21型) GTが納車されてから1ヶ月経ちました。
今のところ、千葉、東京、埼玉、群馬、栃木、茨城、神奈川、山梨、長野、飛んで北海道(笑)、青森、秋田、岩手、宮城、福島と15都道府県、約4,000kmを走っています。オーバーペースと云うものでしょうが、移動マニア(とは云え、当区では必須の移動の用事はもはやないため、最終的には年1~2万km程度にとどまります)の納車直後にはありがちな現象と云う事で。GT "Voiture de Grand Tourisme"の名に恥じない長距離ドライブにかなう高いパフォーマンスとラグジュアリー装備で、GWを中心にロングドライブを楽しみました。
過去、A9型208の情報を収集していた時に見つけて大変参考になったざがあとたうんさんに倣って、納車後定期的に感想を上げていこうと思っています。
うちは前車が同じプジョーの206 XS、業務で載っているホンダN-BOX(現行2代目)との比較が中心になり、購入時の試乗程度しか近似値での比較をしていないため、あまり参考にならないかもしれません。
また、筆無精なのでいつまで続くものやらですが、プジョー208の購入を検討している方や乗車中の方の参考になれば幸いです。

【総評】
全般的に「とてもいいクルマ」です。
現在、現実的に購入できる208は、5ドア8ATのアリュール・GTのみになり、本国フランスでは設定のあるMTモデルはありません。またスポーツモデルのGTiなどはフランスでも未デビュー。出るのかな。趣味的にはちょっと残念ですが、当区では妻が運転する都合上、MTの選択肢があってもAT車を選択しているところであり、アイシンAWの8ATが秀逸との評価を聞いて不安はあまりなかったです。実際優れたATだと感じています。
2020年7月の日本発売後、すでに2度の値上げ*1を実施しているなど、少し気になるところではありますが、それでも内容の充実を考えると機能、性能、質感、装備、乗り心地とも国産Bセグメント車はおろか、粒ぞろいのドイツBセグメント車をもってしても、ゆうに超えていて、コストパフォーマンスの高いお買い得なクルマです。特にドイツBセグメント車と比べた際は価格が低く抑えられていて圧勝の感があります。コストパフォーマンスで云うと、208よりさらに低価格の、ルノー クリオ5ルーテシアがライバルになるかと思います。
特に自動車評論家の誰もが褒めるシートが良く「椅子を頑張った」と云うホンダFIT4をはじめとした国産Bセグメント車では今でも届かない領域です。椅子に関しては208でもアリュールとGTで違うものになっており、妻は試乗で座ったとたんに「こっち(GTLine)がいい!」とハートを鷲掴みされてしまいました。今回、アリュールではなくGTにしたのは、ほぼ椅子の出来によります。セミバケットシートアルカンターラの触り心地が極上でした。

椅子はフランスの文化の極みなのか、ルノーシトロエンもDSも非常に良いので、こだわるならば乗り比べをおすすめします。


【内外装の質感】
インテリア・エクステリアともしっかりとデザインされていて品質は高いです。国産のBセグメント車は比較対象にならず、ドイツ車でもaudi A1などを相手にできるレベルに来ていると思います。
内装は、今までどちらかと云うとシンプルさが売りだった20xシリーズですが、現在ではフラッグシップモデルの508に準じるレベルで上等な装備が奢られています。これは内装の共通化によるコストダウンの結果のようですが、もしかすると508オーナーから見たらつまらないかもしれません(笑) でも、208オーナーとしては大歓迎ですね。
インテリアアンビエンスランプ(アンビエントライト)はGT(GTLine)にだけ装備、8色から選ぶことができ、心躍る装備ですが、なくてもいいと云えば、なくてもいいかも(笑)
内装はプラスチッキーさはなく肌触りも柔らかい素材が使われていて上質さが際立っています。ピアノブラック加飾も多いですが、嫌味がなくセンスがいいですね。クロームメッキ系の加飾は以前より減っていて、こちらは自分好みで好感。
総評で述べたとおり、セミバケットシートが最高です。アルカンターラとテップレザーの質感が高く、ホールド感も良く、206XSでセミバケットシートに慣れた私や妻も大満足でした。ステアリングも本革巻きで、こちらもとにかく触り心地が良く、運転を始める際、指がステアリングに触れるたびににやにやしてしまいます。毎日触れるところはかなり重要だと思いますね。
外装の美しさは、最近のプジョー車デザインの完成域に達したと思っています。特にライオンの牙をモチーフにしたデイタイムランニングライトの意匠は、プジョー208(と2008)にしかない個性。対向車に208が来たら絶対に目を奪われてしまいます(危ないので、ほどほどにね、自分……)

206で乗ってた「いつもの駐車場で」乗り込もうとすると「このクルマ、厚みがあるな」と云う感覚におそわれます。206やN-BOXより大きいのは確かだけれど、なにかボディの厚さに焦点がいくんですね。ドア周辺に限らず、ボンネットやバックドアも膨らんでる感、ボリュームがある、グラマラスな感じですね。
また、リアも部分部分の個性もさることながら、斜め後ろから見た美しさと云ったら。うっとりとしてしまいます。


【安全性】
現代のクルマの装備としては充分以上だと思います。不足に感じる部分はありません。
ADAS(アダプティブ・ドライバー・アシスタンス・システム)を搭載、カメラとレーダーによるSTOP and GO付のACC(アクティブ・クルーズ・コントロール)やレーンポジショニングアシスト、アクティブセーフティブレーキは5km/hから140km/hの範囲で有効。
プジョー208に限らず、基本的に現代のクルマは過保護だと思ってるのでさらっとですみません。


【装備】
全車標準装備の7インチディスプレイは、使い方がわけわからん状態なので、説明書をよく読んだほうがいいと思います(笑) 操作がタッチパネルなのがちょっとつらいです。反応性はiPhoneなどに比べると鈍く、特にエアコンは物理ボタンが欲しかったですね。エアコン操作や車両設定を人質に取られてなければ、ディスプレイを外してiPadでも置いておいたほうがよほどいいくらい。しかしこれはプジョーに限らずほとんどのクルマがそうなのだけれどw
ナビアプリ「カーナビタイム」を使っているんですが、Apple Playは使えるけどAndroid autoは使えない(これらのわけのわからないアプリ名も殺意を催しますw)。安全対策なんだろうけど、素でスマホ画面をミラーリングしてくれたほうが良いです。結局スマホスタンド欲しくなる(^^;
ライト、ワイパーのオート機能はフランス車への期待どおりポンコツ(笑)。オートライトが夕方早めにつくのは私好みですが(デイライト装備によりライトをOFFにする事はできません)、オートワイパーに至っては小雨の時に狂ったように全力HIで動作するなど、使い物になりません。また自分は「ワイパーを1回だけ動作させる」操作が好きですが、旧来車のプジョー206の「右レバーをちょんと下げる」(一般的国産車と点対称の動かし方)ではなく「右レバーを「軽く」手前に引く」となっており、ウォッシャー液解放との区別がつきづらくイライラします(笑) なお、「右レバーをちょんと下げる」は先述の超プアなオートワイパーのON/OFF機能に充てられており、イヤですね。Twitterプジョークラスタの方の中ではこれを2連打する事によって「ワイパーを1回だけ動作させる」方も多いみたいです。ホンダ(CR-ZN-BOX等)は回転位置に「AUTO」があって、「1回だけワイパー」は通常どおりの操作で使えるので、そちらのほうがベターです。
一方でクルーズコントロールアダプティブでとても優秀。前車に追いついた時の減速や、遅い前車がいなくなった際の速度復帰などは自然で「おお~賢い!」と唸らされます。ただ、高速道路でありがちな100km/h巡航時に、ほぼ7速で走ろうとするのがイマイチです。だいたい106~108km/h以上で恒常8速に入ります。ちなみにマニュアルアクセルで走っていると、100km/h巡航時にほぼ8速に入っています。これ、クルーズコントロール使わせる気ないでしょw
エンジンスタートはブレーキ踏んでスタートボタンと云う当世風。
カーステレオは、こちらも当世風でCDなし、スマホUSBメモリのMP3で聞くことになります。カーステレオに接続できるのは1つですが、前後席にUSBポートが合計4つもあり充電可能、これは嬉しいユーティリティ設備です。

右ハンドル仕様のプジョー208のグローブボックスは小さすぎて使い物にならないとよく云われますが、確かに! 車検証はもちろんの事、ボックスティッシュは薄型のものも入りません。ウェットティッシュの袋版などを入れています。窓フクピカの小袋は入れられたかな。


【1ヶ月の最後に】
長くなってしまったので、車外装備、動力性能、運動性能、燃費あたりの記載は次回2ヶ月編以降へ譲ります。
皆さんお待ちかね(笑)のトラブルですが、自動車が止まったりするメジャーものはもとより、マイナートラブルもほとんどありませんでした。これが現代のフランス車と云うものでしょうか。
「フランス車は新車導入から1~2年待ってマイナートラブルを潰してから購入すべし!」と思っていた私ですが、安定した評判を見て日本導入から半年も待てずに発注してしまったプジョー208-II(P21型) GT。「断然おすすめ!」でありながら、一方で他人には教えたくないと云う歪んだ数寄者心理(笑)を発露してしまうクルマです。

*1:2021/2発表の2021JPモデル発表時と、2021/4発表の2021/5/1時点での価格改定