Intermezzo - Cahier

はてなダイアリから参りました(

『"文学少女"見習いの、初戀。』野村美月

シリーズ9作目。ハイクにも書きましたが、既刊ぶんは完読と云うことに……。
※かすかな、しかし致命的なネタバレを含むため、隠し記法にて。
シリーズ初期のサスペンス風味の強い作風で、スリリングに楽しめます。
菜乃は結構可愛い。がんばれと応援したくなるふう。なんだかんだで端正な登場人物が多いこのシリーズの中でははちゃめちゃなキャラ。でも、性質は至ってまっとうなんですよね。面白いかも。
心葉くんの推理風想像が遠子先輩と比べてあまりにもいけてないのが面白いです。これが現実だったら結構ひどいけど。
朱里さんの匂いと花の匂いがリンクしていて、伏線ぽかったけれど、特に何もなかったような。そんなもの?
雛沢さんが昔「臭い」と云われて香水をつけていたエピソードや、松本くんが朱里さんに残した貝殻のメッセージなど、切なくて、甘酸っぱくて、野村さんの作風(と云ってよいのか)の魅力が遺憾なく発揮されていますね。
「大嫌いだ」と云う心葉くんのラストの告白は熱烈過ぎますっ><;
琴吹さんの存在が許されたように、とはちょっと違うかもしれないけれど、あと6年の間に心葉くんの作家としての肥やしとなるための存在として、と云うとあまりに酷すぎるかもしれないけれど、菜乃はそんなポジションなのかなと。高校で一緒にいられるのは1年だけだし。うん。

続巻がまだ出てないのが、渇望感を煽ります。
続きでは、今回登場しなかった竹田さん(この時系列では高校2年生)が何かしでかしますように。