Intermezzo - Cahier

はてなダイアリから参りました(

『"文学少女"と穢名の天使』野村美月

シリーズ4作目。いいタイミングで密林さんから本が届きました。
※ネタバレを匂わすどころではない部分があります事をご了承下さい。
琴吹さんメイン! おめでとう琴吹さん! 作者に憐れみの眼差しで見られる琴吹さん。それってどうなんだ……。でも冒頭から可愛すぎます、琴吹さん。
題材がなんと『オペラ座の怪人』!
日渡早紀さんの『記憶鮮明』『そして彼女は両目を塞ぐ』を思い出しちゃいます。日渡早紀さんの本は、『ぼくの地球を守って』とかを学生時代の生活苦の際に手放してしまったのですが、そしてまた日渡早紀さんは生活に困ったりはしていない*1と思うのですが、買いなおしたい気分だったりします。小4の頃だったでしょうか、少女漫画を読むきっかけになった作家さんなので。
閑話休題
援助交際を援交って略すのはおじさん良くないと思うの。思うの。ってツッコミどころはそこですか。人の死より、援助交際と云うか売春のほうが凄惨な感じがしますね。
登場人物を増やしすぎなのか、或いはこれはこれで一話完結なのだからいいのではないかとか、難しいところ。
毬谷先生や臣くんは結構表裏ともいい感じだったけれど、水戸さんの魅力がよく伝わらないうちにお亡くなりなっていたとは。あがが。葛藤とかあると思うんだけど、前半の仄めかしとかはありますが、直接登場しない部分はあるにしても、うまく伝わってこないような気もします。行間の味わいとかとはちょと次元の違う問題かな。
竹田千愛ちゃんの言動がすべて不吉に思えるものの、この巻では特に何も起こらず。
心葉くんがラウルかファントムかはさておき、今この時に関しては、少しずつ目を開いて未来に進んでいくのが好印象ですよね。爽やかな読後感。後は過去の問題と、遠子先輩とどうなるのか、かな。美羽の飛び降りに関しては結構ひどい気がします。人生無茶苦茶になってるので報いはあったのかもしれませんが、それにしても、今の時点でも、『美羽の飛び降りは自分のせいなのかわからない』とかはひどい。ひどすぎます。
遠子先輩の卒業が、物語のエンドなのかなぁ。遠子先輩が少しずつ透明になっていくような描写が、切なさの予感炸裂。うむむ。
予想通りと云えば予想通り、美羽の人格がぐちゃぐちゃそうなのがある意味楽しみですね。ほんとか。そうはならないかもしれませんが、凄惨な復讐劇とかだったら面白いかもしれません。ほんとか。

“文学少女”と穢名の天使 (ファミ通文庫)

“文学少女”と穢名の天使 (ファミ通文庫)

*1:今の私が、生きている作家の本を買う理由の第一は「その作家さんにお金をお渡ししたい」と思う気持ちです。「投げ銭できるならばそちらのほうがいい」くらいに思っています。で、日渡早紀さんはたぶん既に一生分はお稼ぎになっていると思うので、いいかなと。ひどい云い方ですがw