Intermezzo - Cahier

はてなダイアリから参りました(

『"文学少女"と恋する挿話集 2』野村美月

シリーズ10作目的な。後日譚の9作目より、こちらを先に読んでしまいました。
※やはり若干のネタバレを含むため、隠し記法にて。
突然出てきた反町くんが大活躍。心葉くんとは直接的にはからまないあたりがニクイ演出ですね。
森ちゃん、かわいいなぁ。裸エプロンならぬ、水着エプロンとか。フィクションだけど、リア充乙! って云わざるを得ませんな!
全体の流れも、ほんわかしていて良かったです。少女漫画の短編集を読んでるような感じですよね。それ、まんまか。
琴吹さんと心葉くんのデートは、なんだかいいなぁ。心葉くんがとっても良い子。
"Nanase Note"の顔文字は何なのだ。琴吹さんが顔文字とは、みたいな違和感かな。偏見でしょうか。
2も竹田千愛ちゃんは登場しませんでした。本編で活躍しまくったから仕方がないのでしょうか。少し残念。
またしてもあとがきの竹岡美穂さんのお蔵入りラフ絵。反町くん&森ちゃんの冬の海の絵が、なんだか楽しそうで良いです。

“文学少女”と恋する挿話集 2 (ファミ通文庫)

“文学少女”と恋する挿話集 2 (ファミ通文庫)

作中に登場する作品は『飛ぶ教室』(何と! こちらはケストナーの児童文学ですが)、中勘助銀の匙』とか、やはりいいところついてきます。
そして遠子先輩が反町くんのために用意した詩たち。ハイネ、バイロン中原中也、そしてラビンドラナート・タゴール『ギタンジャリ』。
タゴールはアジア初のノーベル文学賞詩人とは云え、渋いチョイスですよね。私はタゴールの詩は知りませんでしたが、作中に引用されているものを読むと、敬虔で、おおらかな愛情に満ちていて、作中では琴吹さんの思いは悲恋に終わってしまうし、遠子先輩も卒業して去っていってしまうのだけれど、友情とかあって、世界は祝福されているなぁ、とふっくらした気持ちにさせてくれました。
タゴールの『ギタンジャリ』は、ちょっと入手が難しそうな印象がありますが、機会があったら読んでみたいと思います。