Intermezzo - Cahier

はてなダイアリから参りました(

『"文学少女"と繋がれた愚者』野村美月

シリーズ3作目。
※あいかわらず、ネタバレを匂わせる部分があります事をご了承下さい。
今日は待機時間が大半を占める仕事のため、本を持って出かけてきましたっ><
色々突っ込みどころはあるけれど、シリーズ通して味覚と嗅覚の表現が好きです。
ぐっとくるシーンが多すぎて、付箋とか持ってなかったので覚えきれません;
今一番記憶に残っているのが、竹田千愛ちゃんの

竹田さんの顔から仮面がはがれ落ちるように、笑みが引き、空っぽになった。
「楽しくありませんよ」
P.92

のシーン。識っているけれど、びっくりさせられる、いい場面。

ぼくの目の前に立っているのは、子犬のように無邪気な竹田さんではなく、もう一人の、人の心がわからない孤独な竹田千愛だった。
言葉を失い凍りつくぼくに、またあどけない表情に戻り、可愛らしく笑ってみせる。
「本心を隠して演技することなんて、特別な事じゃなくて誰でもやってることです。それに、心葉先輩や遠子先輩と一緒にいるのは、ヤじゃないですから」
P.93

心葉はすぐには納得できない様子でしたが、真理的なところを衝くなぁ、うまいなぁと思います。竹田千愛ちゃんは1作目で終わりかと思っていたのですが、意外と人気があったのかもしれません。私は好きです。
あと好きなシーン。

  • 心葉と芥川の友情のシーン。とても現代的だけれど。でもそこが好き。
  • 家に迎えに来てくれる遠子先輩。どんだけー
  • 遠子先輩の科白「それじゃあ心葉くんは、わたしとも、会わないほうがよかったと思う?」P.253 ズルい質問。
  • 推定薄倖のツンデレ、琴吹さん。

琴吹さんのかませ犬感がぱないの! 美羽も遠子先輩もいるもんなぁ。何か救済措置はあるのでしょうか? 気になる。

日本近代文学は好きなので、このあたりを題材にしてくれると嬉しいものがあります。遠子先輩の周辺ネタもかなりいい感じ。最初から『野菊の墓』だもんなぁ。思い出した、『文學ト云フ事』の第一回は武者小路実篤『友情』だよ!

恋は、あまりにも――
残酷だった。
『文學ト云フ事』武者小路実篤『友情』予告編より

あとこの"エピソード"なによー?><
(確かに美羽が死んだとは誰も云ってなかった;;;)

“文学少女”と繋がれた愚者 (ファミ通文庫)

“文学少女”と繋がれた愚者 (ファミ通文庫)

#続き(本編完結まで)を密林さんに発注ちゅうっ。早くこいこい><;
##2作目でちょっとアレかな? と思ったのですが、3作目はキュンキュン来ました。やっほい。