Intermezzo - Cahier

はてなダイアリから参りました(

『"文学少女"と死にたがりの道化』野村美月

※少しだけネタバレを匂わせる部分があります事をご了承下さい。
評判もよく、気になっていつつもスルーすると云う、ちょっと前まではありきたりな展開だったのですが、密林で数冊まとめて買ってしまいまして。
今宵少しばかり読もうかと、お風呂に持ち込んだのですが、1時間半で完読してしまいました。読書のリハビリはしていますが、こうすっきり読めるのは作者の力が大きいと思います。ハイ。
ライトはライトなのだけれど、端正で流麗な文体なので、だぁっと読んでも胸焼けがしなくて素晴らしい。
切なく、甘く、ちょっとほろ苦い物語。
作者というより出版編集サイドが悪いのでしょうが、最初からシリーズものにすると云う意図があるのが少しだけ鼻につきます。
しかしながら、キャラクターは魅力的で、良いです。この巻のメインヒロインと思しき竹田千愛の結末は、彼女のためのエンディングが予想されつつも、ただの甘甘キャラじゃない、愁二先輩と同じだった、と云うのはちょっとどきっとさせられました。作品の中でも、結末の部分は特に、一気に読ませる力が強くて、引き込まれました。
この作品だけで考えた場合、琴吹ななせはもっと"S"的で良いのではないかと思いつつ、所謂シリーズサブヒロイン的扱いなのか、ああ、そっちの"S"ね、みたいに強引に納得させられてしまったり。イヤ、違うでしょうけど。
遠子先輩が本を食べるのは、わりと驚きもなく受け入れてしまうのですが、読書のブランクはあっても、私の脳味噌が結構ファンタジー慣れしてるのかなぁ。しかしまぁ、こんな先輩が実際にいたら、『リア充乙』の一言ですよね。
竹岡美穂さんのイラストもかわいいし綺麗です。
続きもさらに買ったり読んだりしたくなりました。確か完結したんでしたっけ? そう云う意味でも安心して読めます。連載中の作品を読むのは若干トラウマティックにだめっぽいので、完結している作品はそれだけで安心を得られます。

あと。
10/4に(何と10/4に!)『砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない A Lollypop or A Bullet』桜庭一樹
9/24に約10年ぶり3回目『ためらい』ジャン=フィリップ・トゥーサン
を読み終えているので、記事を書きたいと思いつつ、下書きのままです。
『ためらい』など卒論でも触れている有様なので、卒論を発掘したりしてしまったのだけれど。
気長にお待ち下さい。などと心の中だけで思っていると埋もれるフラグなので、ここに書いちゃう。乞御期待。