Intermezzo - Cahier

はてなダイアリから参りました(

リトアニア:ランズベルギス元議長「東から壁押し倒した」 - 毎日jp

リトアニア:ランズベルギス元議長「東から壁押し倒した」

 90年にソ連からの独立を宣言し、翌年の連邦崩壊の先べんをつけたリトアニアの元最高会議議長(国家元首)、ビタウタス・ランズベルギス氏(77)が21日、東京都内で毎日新聞と会見した。今月9日に20年を迎えた「ベルリンの壁」崩壊について、「壁の東方にいた我々の側から押し倒したのだ」と語り、バルト3国ですでに広がっていた民主化運動の貢献を強調した。

 リトアニアラトビアエストニアのバルト3国では89年8月に市民が約600キロにわたって手をつないで「人間の鎖」を作り、主権確立を訴えた。ランズベルギス氏は、「200万もの人々が参加し、自由を要求した。一度栓を抜かれると、自由は、元のようにボトルに戻すことはできない。抑圧体制崩壊は時間の問題だった」と語った。

 また、91年1月にソ連軍部隊がリトアニアの首都ビリニュスに投入され、市民14人が死亡、700人以上が負傷した「血の日曜日事件」が、「(独立を貫くための)精神的な試練となった」と振り返った。「ゴルバチョフ(元ソ連最高会議議長)は、『寝ていたので事前に知らなかった』と繰り返し話したが、それはあり得ない。本人と会う機会があれば、真実を問いただしたい」と述べた。

 さらに近年、ロシアで大国主義が台頭していることに対し、「スターリニズム復活の危険がある」と警戒感を示した。バルト海経由でロシア産天然ガスを欧州に送る「ノルド・ストリーム」パイプライン計画について、「(ロシア政府系天然ガス企業)ガスプロムを使って、バルト3国やポーランドなどロシアに従順でなかった諸国への復讐(ふくしゅう)を図ろうという動きだ」とも述べた。

 ランズベルギス氏は80年代末のリトアニア民主化運動「サユディス」を指導し、90年3月に最高会議議長に選出された。現在は欧州議会議員を務めている。講演などのため来日した。