Intermezzo - Cahier

はてなダイアリから参りました(

素敵空間


過日id:sokulatesu からリクエストのあった、kimさん邸の写真が、旧正月でご帰宅されているkimさんから写真が届きました。
ありがとうございました>kimさん
一緒に詳細の説明も受けましたので、こちらでも下に記します。
この空間のメインディッシュである座席は、長野で廃車になった115系電車*1から。厳密にはクハ115のトイレ向かいの幅狭席*2と云う事で、トイレは1編成に1つくらいしかありませんから、なかなかレアものです。この座席を複数の鉄工所で一部修正したり、ご自分で下地仕上げを含む塗装をされたりした上で、やはりご自分で建物へ取り付けたそうです。
モケットは長野総合車輌所にストックされていた新品だそうで、富山地鉄バスの座席の修理を行っている業者さんにて張替え(!!)たもの。
窓のすぐ右にある帽子掛けは、長野総合車輌所の部品即売会で入手したもので、おそらく189系電車*3のものだそうです。
画像右の中央部にある温度計はご友人から入手された、国鉄「JNR」マークつきのもの。
栓抜き付きテーブルは、ここでやっときました、気動車用で、気動車趣味界ご本尊ROKUさんから入手したものを再塗装されたそうですが、kimさんもご要望されている栓抜きプレートが欲しいところですね。キハ52の3両が出てこなくなってしまったので(#116や#124のは残ってないですかねぇ)、望みは475系電車とかが廃車になった際の出物でしょうか。
照明は正真正銘の白熱灯で、これも今となっては超贅沢品ですよね。市販品ながら、スハ43などの灯具に近い形状を選んでいらっしゃるそうです。窓やブラインドも標準品やセミオーダーながら、リアルな車両に雰囲気をあわせられています。天井の白塗り、壁のニス塗りはプロの塗装屋さんのお仕事で、居住空間としての落ち着きもあり、質感高いです。そもそも、天井の形状、高さも、3等車ながら、戦後国鉄特別急行、急行列車に使われた客車であるスハ43の図面を元に設計されているそうで、kimさんは、気動車屋でいらっしゃる以前に客車屋さんでおられるわけですが、客車・気動車・電車の要素が渾然一体となった、世界でたったひとつの素敵空間として仕上げておられます。
わたしとkimさんは、それ以前から前述のROKUさん主宰の気動車のコミュニティ「SALON KIROHA」を通じてインターネット上で知り合っていましたが、実際に初めてお会いしたのは、現在の妻主催(笑)の有田鉄道お花見大作戦Vol.5(2002/04/06)でした。以来、仲良くさせていただいて、同2002年5月から、キハ52 116・キハ52 124が大糸線から高岡・富山エリアに移って走り出した際などにはよくご一緒させていただきました。私が最初に当該の列車(伝説の北陸本線1470D)に乗った2002/05/11に、この素敵空間のあるお部屋にお邪魔したものです。びっくりしつつも、ROKUさん邸のキハ65四国椅子とともに、ASTREの椅子を欲しいと思うようになって実行にうつすきっかけをいただいたと思っています。
しかしながら、改めてこの写真を拝見して、また詳細をうかがって、舌を巻くばかりです。「凄い」とか「素晴らしい」としか云いようがありません。
単なる「趣味の部屋」を超越した、文化の誇り高き空間と云っても過言ではないでしょう。また、お邪魔させていただきたいものです(笑

↑ちなみに、うちのダイニング(仮)はこんな感じで、結婚式の列車で使わせていただいた「ゴールデンエクスプレス ASTRE」キロ65 551の廃車からの座席をそのまま置いてあります。オリジナル度は高いですが、その後団体列車misatoトレインからいただいた紙製の枕カバーをつけたくらいで、全然手をつけていません(笑

*1:中央本線で走っていた(今も生き残りが走っていますが)鈍行列車の車両

*2:一般の椅子は少し幅が広くなるわけで、居住空間にはやや大きい感じになるかもしれません。また、このような4人席を作る場合、扉間の端の2人席を2つ使うことになりますが、それらは元々壁付けではないものなので、活用も難しいのかもしれません

*3:信越本線特急あさま中央本線特急あずさ・かいじで使われていた車両