Intermezzo - Cahier

はてなダイアリから参りました(

ミャンマーメモ、ラカイン州 謎の鉄道

ミャンマー旅行では、ほとんどの人が、ヤンゴンバガン、インレー湖、マンダレーあたりが目的地。我々も先日はヤンゴン管区内だけ行った。だけど私の興味は、ラカイン(ヤカイン、アラカンとも)州シットウェやカチン州*1、シャン州、モン州、タニンダーリ管区(テナセリム)など外辺に向く。
私がミャンマーの中でもとりわけ行きたいと思っているのがラカイン州とカチン州だが、現在どちらも入域許可証がないと入れない状況となっている。
ラカイン州は、ビルマ族に近い(?)仏教徒であるアラカン人と、イスラム教徒で亡国の徒とされるロヒンギャロヒンギャには「族」をつけないのが通例。ベンガルムスリム集団。元々は現在のバングラデシュチッタゴン周辺に居住していたインド人イスラム教徒と推測されている)の抗争が2012年勃発しており、多くのロヒンギャが避難生活を強いられている。
カチン州では、国軍とカチン族*2のカチン独立軍(KIA)がほぼ内戦状態。ミャンマー第二の都市マンダレーから北上してカチン州のミッチーナーに向かう路線もたびたび爆破され、脱線事故を起こしている(報道によると、意外と死者は出ていない)
さて、行けないとなると尚更行きたくなるのが人情であるが、実際この地域への入域許可は出ないものと推測される。無力な旅人としては、早期の沈静化を願うばかりである。鉄道趣味者だけでなく、世界遺産となっている古代遺跡の町ミャウーへも入境できなくなっており、現地の観光業は壊滅的影響を受けている模様。
行けない状況の中であれこれインターネッツ上で調べた事を下にまとめておく。
2013年3月下旬以降も、ミャンマー中部メイッティーラで仏教徒とイスラム教徒が衝突、非常事態を宣言以来、現地からの報によると悪影響が最大都市ヤンゴンにも飛び火しているようで、市内半分くらいのお店が破壊を恐れて閉店しているらしいなど、状況は予断を許さない。
下の記事は、バングラデシュに亡命しているアラカン人がビルマ時代の英語と思われる表記で、アラカンのニュースを報じるサイト。2009年に鉄道が開通したらしいミャンマー ラカイン州シットウェ〜レーチャンビン(Raychanpyin,Yechanpyinとも)間にまさかのキハ52の姿。同区間の線路・車両画像はおそらく世界初公開と思われる。2012年末あたりに枕木が大量に盗難された模様。
Over Kyat 40 million worth materials that include wooden sleepers and rivets were stolen from the railway track in Sittwe, the Capital in Arakan State. by Narinjara Online
シットウェ*3駅と思われる場所はこちら→Sittwe Railway Station (Maybe)
レーチャンビン*4駅と思われる場所はこちら→Raychanbyin Railway Station (Maybe)
日本語ではレーチャンビンと書かれるが、上記からイェーチャンピンとも近似と推測される。謎である。レーチャンビンはロヒンギャの住居エリアとも云われるが、目立った集落はない。強いて云えば駅の南西方向に集落があり、こちらの地図ではKyettawbyinと記載されていた。駅近くにあるのが、シットウェ技術大学と推測されるが地図には地名も大学名も書いておらず、不詳。
両駅は距離はそんなに離れておらず(概算約20km程度)、大学通学需要もあるものと思われ、明るいうちに往復するのは不可能ではないと思われる。ヤンゴンのコンピュータ大学方式だと、おそらく片道の交通手段に苦労するけれど。

*1:糸魚川と同じく、翡翠が取れるらしい。なにか運命じみたものを感じる。

*2:ジンポー族をはじめラワン・ラチク・ザイワ・ラウンワ・リス、6つの少数民族を総称してカチン族と呼ぶ。多くはキリスト教徒。背後にはカチン州の隷属を目指す中国の姿も見え隠れする。

*3:シットウェの地名について。元の地名はAkyab。アキャブとアカブの中間くらいの読み。イギリス軍に占領されたとき、イギリス軍の宿舎をシットウェと呼んだ事がこの地名の始まりらしい。ミャンマーっぽくSittweとも、英語っぽくSittwayとも書く。

*4:Raychanpyin is also written as Yechanpyin, Yechanbyin, and also maybe Kyettawbyin.