子供の頃、夏は長かった。果てしなく。8月初めに地区のソフトボール大会が終わり、学校のプールもない日は、暗い部屋に篭り、1日中高校野球を見ていたりしていたのを思い出す。暑さ寒さも彼岸まで、と云うし、夏休みが終わってからも暑い日が続く、このあたりの地区の小学校では9月の上旬までプールの時間があったかに記憶しており、子供の私は「夏は6〜9月」と認識していたように思う。
そして私は夏など好きではなかった。心身の感覚が研ぎ澄まされる晩秋から冬が好きであった。
だが、今になってみると、夏は短いのではないか? と思う事が多々である。今年の梅雨明けが遅かった事もあるし、プールじゃなくって海へ行こう! と思えば旧盆前には行かなくてはならない。海月が発生したら、夏は終わりだ。この発想は山っ子の私にはなかった。
だが今、大町から北の仁科三湖や、白馬小谷、北陸の海で夏を感じていると、この夏はとても短く儚く、それゆえ美しいのかも知れないと思う。
夏の短い国や地方を愛し志向しながら、私はその短い夏を愛し始めているのかもしれない。
なんじゃそりゃ(爆