Intermezzo - Cahier

はてなダイアリから参りました(

ポール・ニザン『アデン・アラビア』

高校生のときに読んだかなぁ。当時は憧憬的な部分のほうが大きかったけれど、今のほうが共感できる気がする。
有名な出だし。

ぼくは二十歳だった。それがひとの一生でいちばん美しい年齢だなどとだれにも言わせまい

続いてカート・ヴォネガットに云わせれば「大学二年生が考えそうな」フレーズが続く。ポール・ニザンの友人に、ジャン=ポール・サルトルがいる。今思えば、『アデン・アラビア』の日本での知名度の高さにはサルトルが絡んでいるんでしょうね。

一歩足を踏みはずせば、いっさいが若者をだめにしてしまうのだ。恋愛も思想も家族を失うことも、大人たちの仲間に入ることも。世の中でおのれがどんな役割を果たしているのか知るのは辛いことだ。

大人たちの仲間に入ってしまい、世の中でおのれがどんな役割を果たしているのか知ってしまった今日この頃に読むのも悪くはないのかもしれません。